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膝の痛み(外側)

このような膝の痛みはありませんか?

このような膝の痛みはありませんか?

  • 歩いたり階段を上り下りするときに膝が痛む
  • 朝起きたときに膝に痛みを感じる
  • 膝の痛みはあるが、どう対処すれば良いか分からない
  • 子どもが膝の痛みを訴えている など

膝の痛みは、「立ったり座ったりする動作がつらい」「長く歩けない」「立ち仕事がしんどい」といったように、日常生活に様々な支障をもたらします。

特に、変形性膝関節症が原因で痛みが起こっている場合、進行すると痛みが強くなり、歩くことさえ難しくなることもあります。症状によっては手術を検討する必要が出てくるケースもあります。 膝に違和感や軽い痛みがある段階でも、早めの治療が重要です。

少しでも気になる症状があれば、お早めに当院へご相談ください。

膝の痛み(外側)で考えられる疾患

膝の外側に痛みが出る場合、次のような疾患が原因として考えられます。

  • 腸脛靭帯炎(いわゆるランナー膝)
  • 外側側副靭帯損傷
  • 外側半月板損傷

腸脛靭帯炎は、主にランニングや自転車などによる繰り返しの動作(オーバーユース)が原因で発症します。

一方、外側側副靭帯損傷は、スポーツや交通事故などで膝の外側に強い衝撃を受けたときに起こりやすく、外側半月板損傷では、加齢に伴う変性や外傷が発症要因となります。

腸脛靭帯炎(ランナー膝)

腸脛靭帯とは、太もも外側からすねの上部にかけて走る長い靭帯で、特にランニングやサイクリング(ロードバイク)などを行う人に多く見られます。 膝の外側にある骨の突起(大腿骨外側上顆)の上を腸脛靭帯が前後に滑るように動くため、この部分で骨と靭帯が擦れ合って炎症を引き起こすことがあります。

この状態を腸脛靭帯炎と呼び、痛みは大腿骨外側上顆付近を中心に、周辺部に及ぶこともあります。膝外側の痛みの中でも特に多く見られる代表的な疾患です。

外側側副靭帯損傷

外側側副靭帯は、大腿骨と腓骨(すねの外側の骨)を繋ぐ靭帯で、外傷によって損傷することがあります。
多くはラグビーやサッカー、スキー、柔道などのコンタクトスポーツ、あるいは交通事故などで強い衝撃を受けた場合に発生します。

また、接触がなくても急激な方向転換などで膝に大きな負荷がかかった際に損傷することもあります。 ただし、膝の靭帯の中でも外側側副靭帯は比較的損傷しにくい部位とされ、単独での損傷は少ないのが特徴です。多くの場合、半月板や十字靭帯といった他の膝内構造の損傷を伴って発症します。

外側半月板損傷

膝関節にはクッションの役割を持つ半月板という軟骨があり、内側と外側にそれぞれ1つずつ存在します。
そのうち外側にあるものが外側半月板で、この部分に損傷が生じた状態が外側半月板損傷です。

スポーツによる急激な動作で損傷することもありますが、年齢を重ねることで軟骨が摩耗・劣化し、損傷に至るケースも見られます。なお、外側半月板の損傷は、外側側副靭帯や十字靭帯の損傷と同時に起こることが多く、単独で発生する例は比較的少ないとされています。

膝の外側以外の部位が痛む場合に考えられる疾患

膝の痛み(内側)で考えられる疾患

膝の内側に痛みを感じている方は非常に多く、その背景には日本人に多く見られるO脚傾向が関係しています。
O脚によって膝関節の内側に負荷が集中しやすく、痛みや炎症の原因になることがあります。

膝内側の痛みに関連する代表的な疾患には、以下のようなものがあります。

  • 鵞足炎(がそくえん)
  • 変形性膝関節症
  • 内側半月板損傷
  • 膝離断性骨軟骨炎

以下にそれぞれの疾患について詳しくご紹介します。

鵞足炎(がそくえん)

鵞足とは、「縫工筋」「半腱様筋」「薄筋」という3つの筋肉が、脛骨(すねの骨)の内側に付着している部位を指します。
膝を曲げたり捻ったりする動作の中で、この部位に摩擦が加わることで炎症が起こると、鵞足炎を発症します。 ランニングやサッカー、水泳などの繰り返し動作を伴うスポーツをしている方に多く見られ、過度な負荷がきっかけになることが少なくありません。また、鵞足炎は変形性膝関節症に合併して起こるケースも多いです。

変形性膝関節症

50代以降の方で、立ち上がるときや歩き始める際に膝の痛みを感じる場合、変形性膝関節症が疑われます。
この疾患は、関節の軟骨が擦り減ることで内部に炎症が起こり、痛みや腫れを引き起こす進行性の関節疾患です。放置していると徐々に骨にまで影響が及び、関節の変形が進行し、膝が十分に曲がらなくなったり、歩行が困難になったりする恐れがあります。

場合によっては、膝の骨壊死を合併することもあり、その際は突然激しい痛みに見舞われるケースもあります。 日本ではおよそ2,530万人が変形性膝関節症を抱えているとされ、60歳以上では男性の45%、女性の70%が発症しているという報告もあります。 特に日本人では、膝の内側に痛みが出る「内側型」が圧倒的に多く、全体の約9割を占めています。

内側半月板損傷

半月板は、太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)の間に位置するC字型の軟骨で、膝にかかる衝撃を吸収する役割を担っています。
内側と外側の両側に存在しますが、内側の半月板が損傷すると、膝の内側に痛みが現れます。

損傷の原因には、スポーツ中の転倒や衝突などで膝に強い負荷がかかったケースに加え、加齢により半月板の弾力性が低下し、長年の負担が蓄積することで発症する場合もあります。 また、変形性膝関節症との合併によって半月板が傷つくケースも少なくありません。

膝離断性骨軟骨炎

離断性骨軟骨炎は、膝関節内の軟骨が剥がれてしまう疾患で、成長期の子どもや思春期の学生に多く見られます。
特にスポーツを盛んに行う小中学生や高校生に好発し、男女比では男性の発症率が女性の約2倍とされています。

また、発症部位は膝の内側に集中しており、全体の8割以上がこの部位に生じます。
初期段階では、軟骨に微細なひびが入り、動作時に痛みを感じるようになりますが、悪化すると軟骨が完全に剥離し、痛みが強くなるだけでなく、膝の曲げ伸ばしで引っかかりや違和感、ずれを感じるようになります。大きな骨片が剥がれると、「ゴリッ」という異音が出ることもあります。

この疾患の重症度はICRS(国際軟骨研究学会)の基準により、Ⅰ~Ⅳの4段階に分類されます。
初期ではレントゲンに写らない場合もあるため、正確な診断にはMRI検査が有効です。

膝上の痛みで考えられる疾患

膝の上に痛みを感じるとき、以下のような疾患が関係している可能性があります。

  • 大腿四頭筋腱炎(ジャンパー膝)
  • 滑液包炎(膝蓋前滑液包炎)
  • 膝蓋大腿関節症

このような膝上部の痛みは、運動や仕事などによる使いすぎ(オーバーユース)が主な原因となっていることが多く、安静にすることで改善が見られる場合もあります。しかし、なかには進行性の疾患が隠れていることもあり、特に膝蓋大腿関節症のように放置すると悪化する可能性があるため、軽視は禁物です。少しでも異変を感じたら、早めに整形外科での診察を受けましょう。

大腿四頭筋腱炎(ジャンパー膝)

膝上の痛みを引き起こす疾患の中でも比較的多く見られるのが、大腿四頭筋腱炎です。
これは太ももの前側にある大腿四頭筋と、膝蓋骨(膝のお皿)を繋ぐ腱の部分に炎症が起きた状態を指し、ジャンプ動作を繰り返す競技に多いことから「ジャンパー膝」とも呼ばれています。

バレーボールやバスケットボールなど、ジャンプを多用するスポーツに携わる方に多く見られ、一般的には膝の下に痛みを訴えることが多いとされますが、膝上に痛みが出るケースも少なくありません。

滑液包炎(膝蓋前滑液包炎)

滑液包は、骨と筋肉・腱の間で摩擦を軽減するクッションのような役割を持つ袋状の組織です。
身体の様々な場所に存在しますが、膝上に痛みがある場合は、膝蓋骨の上方にある「膝蓋前滑液包」が炎症を起こしていることが考えられます。この状態を「膝蓋前滑液包炎」と呼びます。

大腿四頭筋の過度な使用によって滑液包に持続的な刺激が加わると、炎症が起こりやすくなります。稀に細菌感染が原因となるケースもあり、その場合は痛みだけでなく赤み・腫れ・熱感などの症状が伴います。そういった兆候がある場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

膝蓋大腿関節症

膝蓋大腿関節とは、膝蓋骨(膝のお皿)と大腿骨(太ももの骨)で構成される関節で、膝をスムーズに曲げ伸ばしするための重要な役割を果たしています。この関節では骨の接触部に軟骨が存在し、動作のたびに衝撃を緩和しています。

膝蓋骨がずれたり変形したりすると、この軟骨が摩耗しやすくなり、やがて炎症や痛みを引き起こすことがあります。これが「膝蓋大腿関節症」です。 この疾患は、スポーツなどによる膝蓋骨の脱臼・亜脱臼の繰り返し、あるいは加齢によって関節にかかる負荷が増すことで発症します。慢性的に膝上に痛みを感じる方や、膝の曲げ伸ばしに違和感がある方は注意が必要です。

膝下の痛みで考えられる疾患

膝下の痛みを訴える際に疑われる代表的な疾患には、以下の2つが挙げられます。

  • 膝蓋靭帯炎(膝蓋腱炎)
  • オスグッド病

この部位の痛みも、膝上と同様にスポーツや運動による使いすぎ(オーバーユース)が原因となるケースが多いとされています。
特に10〜20代の若年層に多く見られるのが特徴で、これは骨の成長に筋肉の発達が追いつかず、筋肉が緊張した状態になりやすいためです。

膝蓋靭帯炎(膝蓋腱炎)

膝蓋靭帯とは、膝蓋骨(膝のお皿)と脛骨(すねの骨)を繋ぐ靭帯で、膝の曲げ伸ばしに応じて伸縮する構造になっています。
この靭帯に繰り返し負荷が加わることで炎症が起こり、痛みを伴う状態が「膝蓋靭帯炎」です。

この疾患は、ジャンプ動作の多いスポーツ(バレーボールやバスケットボールなど)で発症しやすく、同じくジャンパー膝と呼ばれる「大腿四頭筋腱炎」と並んで知られています。 また、ジャンプ動作に限らず、ランニングなど小さな衝撃を繰り返すスポーツでも発症することがあり、特に10〜20代の男性に多いとされています。

症状があるまま激しい運動を続けると悪化する可能性があるため、十分な休息を取ることが重要です。

オスグッド病

オスグッド病は、成長期の子どもに起こりやすい膝下の障害で、10~15歳の年代を中心に発症します。
「成長痛」と誤解されがちですが、実際には別の病態です。

この疾患は、膝蓋靭帯が脛骨の前面(脛骨結節)に付着している部位に強い牽引力が加わり、その影響で軟骨ごと剥がれてしまうというものです。 特に男子では12〜14歳、女子では10〜12歳の時期に発症しやすく、この年代は脛骨結節がまだ完全に骨化していないため、強い負荷に耐える構造が整っていません。ジャンプやダッシュといった運動による反復動作で筋肉が引っ張られ、炎症や剥離を引き起こします。

膝裏の痛みで考えられる疾患

膝の裏側に痛みがある場合、以下のような疾患が関係している可能性があります。

  • ベーカー嚢腫
  • 関節リウマチ

膝の裏には関節・筋肉・靭帯・神経など多くの組織が集まっており、この部位の痛みは、それらの組織のいずれかに炎症や損傷が生じているサインであることが少なくありません。

ベーカー嚢腫

膝の裏が腫れて張りを感じる、圧迫感やつっぱるような違和感があるといった場合には、「ベーカー嚢腫」が原因となっている可能性があります。この疾患は、関節の中に存在する「滑液腔」と呼ばれる袋状の組織に、関節液が過剰に溜まってしまうことで発生します。関節液は元々関節の動きを滑らかにする役割を果たしていますが、関節内で炎症が起こると分泌量が増加し、膝裏の滑液腔が膨らんで腫瘤(こぶ)のような状態になるのがベーカー嚢腫です。

通常は時間の経過とともに腫れが引くこともありますが、嚢胞が大きくなって破裂するケースもあり、その場合には強い痛みや再度の腫れを伴うことがあります。違和感や腫れが持続する場合は、整形外科で診察を受けましょう。

関節リウマチ

関節リウマチは、免疫システムの異常によって自分自身の関節が攻撃され、炎症が引き起こされる自己免疫疾患です。
本来、外敵であるウイルスや細菌を排除するはずの免疫細胞が、誤って関節組織を異物とみなし、慢性的な炎症を引き起こしてしまいます。

初期には腫れや痛みが現れ、進行すると軟骨や骨が破壊されて関節が変形し、機能を失う危険性もあります。 膝裏の痛みもその症状の1つとして現れることがあり、関節リウマチでは膝だけでなく、手指・足首・肩など、全身の関節に症状が広がるのが特徴です。

その他

前十字靭帯損傷(ぜんじゅうじじんたいそんしょう)

前十字靭帯は、膝が前方にずれたり、捻りによって不安定になったりするのを防ぐ働きを持つ靭帯です。
この靭帯が損傷すると、「バキッ」という音が聞こえることがあり、関節内に出血(関節血腫)が起こることもあります。

主な原因はスポーツ中の外傷で、プレーヤーとの衝突や、急激な方向転換によって膝が内側に捻じれることが引き金となります。 受傷直後は強い痛みにより動けないことが多いものの、時間が経過すると動けるようになるケースもあります。ただし、次第に腫れや膝の可動制限が目立ってきます。

前十字靭帯の損傷は自然治癒が難しく、機能の回復やスポーツ復帰を目的に、手術による靭帯再建が選択されることが多くあります。

後十字靭帯損傷(こうじゅうじじんたいそんしょう)

後十字靭帯は、膝が後方にずれるのを防ぐ働きを担う靭帯です。
この靭帯が損傷する主なきっかけは、スポーツや交通事故などによって、膝の前側に強い衝撃が加わった場合です。受傷後は、ジャンプの着地や階段の下り動作などで膝が崩れるような不安定感が出ることがあります。

後十字靭帯損傷の治療は、基本的に装具やリハビリなどによる保存療法が中心となります。 多少の膝の緩みが残ることもありますが、多くの場合、日常生活には大きな支障をきたしません。ただし、痛みや不安定感が続く場合には、前十字靭帯損傷と同様に、靭帯再建手術が検討されることもあります。

膝の痛みの治療

膝の痛みに対しては、原因や症状の程度に応じて様々な治療法が選択されます。
以下に代表的な治療方法をご紹介します。

薬物療法

痛みや炎症を和らげるために、鎮痛薬や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、ステロイドを含む内服薬や外用薬などが処方されます。

注射療法

関節内の炎症を抑えたり、滑らかな動きをサポートしたりする目的で、ヒアルロン酸やステロイドの注射を行います。
これにより、膝の痛みの緩和や機能の回復が期待されます。

リハビリ

ストレッチや筋力トレーニングなどを通して、膝周囲の筋肉を強化し、関節の安定性を高めていきます。

手術療法

保存的な治療で改善が見込めない場合や損傷の程度が大きい場合には、手術を検討します。
内容は、半月板の縫合や部分切除、靭帯再建術、人工関節置換術などがあり、必要に応じて高度医療機関と連携し、専門的な治療体制をご案内します。

膝の水抜く時の痛みは?

膝の水抜く時の痛みは?膝の水を抜く注射は、針を刺す際に多少の痛みを感じることがありますが、一般的には採血程度の痛みとされています。痛みの感じ方には個人差がありますが、我慢できないほどの痛みではないことが多いです。

膝の痛みは当院へご相談ください

膝は、立ち上がる・歩く・走るといった日常の動作を支える大切な関節です。違和感や軽い痛みでも、そのままにしておくと状態が悪化する恐れがあります。 例えばランナー膝を放置すると、将来的に変形性膝関節症などの進行性疾患に繋がる可能性もあります。悪化すれば、歩行や日常生活にまで支障をきたす可能性も否定できません。

当院では患者様の生活背景やご希望に寄り添いながら、最適な治療方針をご提案しています。膝の痛みや違和感を覚えたら、できるだけ早めにご相談ください。