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リウマチで食べてはいけないもの

リウマチで食べてはいけないもの

リウマチに特別な食事制限は基本的にありません。ただし、高血圧・糖尿病・脂質異常症といった合併症がある場合は、それぞれの病気に合わせた食事管理が必要となります。また、リウマチでは筋力低下や体脂肪の増加、骨粗鬆症の予防が大切です。栄養を補おうとしてパンや白米、甘い飲料やお菓子といった炭水化物、牛乳や脂身の多い肉類を摂りすぎると、体重が増えて関節に負担がかかり、痛みの悪化に繋がります。

牛乳はタンパク質やカルシウムを効率良く摂取できる一方で、脂肪分を摂りすぎる可能性があります。そのため、摂取する際は低脂肪乳や無脂肪乳を選ぶことをお勧めします。

リウマチに伴う骨粗鬆症・筋力低下・脂肪増加を防ぐには、
食事の見直しが大切です

栄養バランスの良い食事を心がける

栄養バランスの良い食事を心がけるリウマチの痛みによって食欲が落ち、必要な栄養が不足してしまうことがあります。体力を維持し、合併症を予防するためにも、鉄分・カルシウム・ビタミンD・タンパク質などをバランス良く含んだ食事を心がけましょう。

特に関節リウマチでは、貧血や骨粗鬆症のリスクが高まるため、これらの栄養素の摂取が欠かせません。

一方で、食べ過ぎによる体重増加には注意が必要です。肥満は高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病に繋がるだけでなく、関節への負担も増加させ、症状の悪化を招く可能性があります。

筋力維持には魚からのタンパク質摂取がお勧めです

筋力維持には魚からのタンパク質摂取がお勧めですリウマチによる関節痛で運動量が減ると、筋力の低下が進みやすくなります。痛みが軽いときは医師と相談のうえ、無理のない範囲で体を動かすことが大切です。筋肉を保つためには、日々の食事でタンパク質をしっかり補う必要があります。

タンパク質は肉や魚、乳製品、大豆製品などに多く含まれていますが、なかでも魚、特にイワシやサンマ、サバといった青魚の摂取が推奨されます。これらの魚に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)は、体内で合成できない必須脂肪酸で、関節の炎症を抑える働きが期待されています。

骨粗鬆症対策にはカルシウムとビタミンDを積極的に

リウマチでは関節が脆くなるうえに、運動不足やステロイド薬の長期使用が重なることで、骨粗鬆症を合併しやすくなります。予防のためには、骨の構成成分であるカルシウムを積極的に摂るとともに、骨の形成を助けるビタミンDの補給も欠かせません。

カルシウムは牛乳やチーズといった乳製品、ひじきなどの海藻類、緑黄色野菜、小魚に多く含まれ、ビタミンDはキノコ類などに豊富です。これらを毎日の食事に取り入れましょう。

サプリメント(健康補助食品)の使用は医師の確認を忘れずに

近年では、ドラッグストアや通販サイトで手軽に健康補助食品が手に入るようになり、サプリメントを利用する人も増えています。

しかし、なかには体に悪影響を及ぼす成分が含まれていたり、現在服用中のお薬と相互作用を起こしたりするケースもあります。気になるサプリメントがあっても、自己判断で使用せず、必ず主治医や薬剤師に相談した上で取り入れるようにしてください。

リウマチを発症した場合に心がけたい日常生活のポイント

禁煙は治療効果を高め、合併症を防ぐ第一歩です

禁煙は治療効果を高め、合併症を防ぐ第一歩です喫煙が心臓や肺、血管に悪影響を及ぼすことは広く知られていますが、近年では関節リウマチの発症リスクを高めることも明らかになっています。また、タバコを吸っているとお薬の効果が十分に発揮されにくく、治療経過にも悪影響を及ぼします。さらに、間質性肺炎といった肺の病気を併発しやすくなることも報告されています。

最近は電子タバコの利用者も増えていますが、その安全性については明確な結論が出ていません。多くの医療機関では、紙巻きタバコと同様のリスクがあると考えられています。

節煙では十分な効果は見込めないため、リウマチと診断された方は完全な禁煙を目指しましょう。ご自身だけで禁煙が難しい場合は、禁煙外来でのサポートを受けることも検討してください。

歯周病予防のための定期的な口腔ケアも大切です

歯周病菌が口腔内に存在することで、関節リウマチの発症リスクが高まるとする研究報告があります。
加えて、歯周病は骨粗鬆症とも深い関連性があるとされており、双方の進行を抑えるためにも、定期的に歯科医院でのチェックやクリーニングを受けるようにしましょう。

休息と睡眠をしっかり取り、ストレスを溜め込まない生活を

リウマチの悪化を防ぐには、規則正しい生活習慣を維持し、心身をリラックスさせる時間を確保することが欠かせません。ストレスは完全に排除できるものではありませんが、過度に抱え込むことで心身の不調を引き起こしやすくなります。

以前は30~50代での発症が多いとされていましたが、近年は60代以降にリウマチを発症する方も増えています。女性に多く見られる傾向がありますが、肉体労働に従事している男性にも発症例は少なくありません。症状が安定してくると無理をしがちですが、夜勤や不規則な勤務などは長期的に見ると病状に悪影響を及ぼすこともあります。

ご自身の体調やストレス要因を見直し、無理のない範囲で働ける環境を検討してみてください。

筋力維持と関節機能を保つために運動を習慣に

関節に強い炎症や腫れがあるときは無理をせず、安静に過ごすことが大切です。関節リウマチの治療は主にお薬を用いて行われ、一般的には治療開始から2~3ヶ月ほどで症状が和らいでくることが多いとされています。治療の効果がすぐに感じられなくても、焦らず経過を見守りましょう。

症状が落ち着いてきた段階で、医師の許可を得てから理学療法士の指導のもと、無理のない範囲で運動やリハビリを開始します。長期間安静にしていると筋力が衰えるため、例えば1ヶ月間休んでいた場合には、2ヶ月程度をかけて徐々に元の筋力に戻していくことが推奨されます。

当院では、理学療法士によるリハビリテーションを実施しています。運動を始めるタイミングや内容に迷った際は、どうぞお気軽にご相談ください。